南河内は8月1日のPLの花火大会が終わると「あぁ、夏休みも中盤だなぁ」という感じがします。昔、景気の良い頃は、昼間から打ち始め、午後9時過ぎまで延々連射、フィナーレは空が昼間みたいに明るくなってあちこちから悲鳴が上がるぐらいの規模でした。カウント方法が変わっただけで今も昔と同じぐらいの発数だという話もありますが、明らかに昔の方がハデハデだった様に思います。ちなみにあれは市民向けの花火大会ではなく、宗教行事の一環であげているのです。我々が外で花火を楽しんでいる間に、敷地の中では厳粛な式典が執り行われているそうなのです。そして我々はそのご相伴にあずかっておると言うわけです。

アベノハルカスの向こうに見えるPLの花火　産経ニュースより

私が子どもの頃、夏休みといえばいつ果てるとも知れない長さでした。ゲームもなく、夏休み用に学校図書が貸してくれる本はたったの6冊で、家の本は全部既読で、テレビのチャンネル権は大人のもので、家に居ても暑いだけだし、仕方がないから外で遊ぶしかなかったわけです。当時は一夏を乗り切るのに非常に長い体感時間を過ごさなければなりませんでしたが、今時のお子さんは何かと忙しいから、退屈に困り果てるなんて経験はないのかもしれませんね。リア充で結構な事です。とはいえ、我々は家が退屈すぎて仕方なく猛暑の中外遊びをしたおかげで日光をたっぷり浴びて丈夫な骨に育ちましたとさ、ということで、無駄に退屈だったわけではないんです。ま、その分お肌には紫外線ダメージを食らったわけですが。

「骨が違うのだよ、骨が」

とはいえ歯医者の私からすると、現在の子どもたちには、リア充度だけじゃなく骨密度でも我々の世代を乗り越えて、いい顔に育って欲しいわけです。んで、日焼けといえばビタミンD。人間の体は日光に当たるとビタミンDを適切な量合成するという素晴らしい機能を備えています。逆に日光を浴びなければビタミンＤが合成されなくなります。すると、カルシウム代謝が上手くいかなくなり骨が弱くなってしまうんですね。

それに関連して先日医療者向けサイトでこんな情報を見つけました。

日光浴と女性の死亡率で学会声明 【米国皮膚科学会】UV対策とビタミンD摂取を推奨

米国皮膚科学会（AAD）は日焼け対策はお肌の健康にはとっても重要だけど、内科学会誌に日光を浴びない女性の死亡率は日光を浴びる女性の倍であることを示唆する研究が掲載されたこともあるから、ビタミンDは補充した方が良いよ、という生命を出しています。ただ、日光を浴びないことが直接的に死亡率の上昇に関連しているかどうかについては、ビタミンDの摂取などのデータは示されていないので、はっきり関連があるとは言えないとの事です。

ここにも医学情報に関して常に見られる原因と結果の問題が潜んでいます。日光を浴びない女性が死にやすいのは、日光浴びないから、ビタミンＤ合成が少なく死亡率が高いという事もあるかもしれませんが、日光を浴びないような暮らしはすなわち活動性が低いという事で、もともと運動不足気味で不健康なんじゃない？という可能性もあるわけです。

とは言え、ビタミンＤ自体は、高齢の女性が寝たきりになる最大の原因である骨折を防止してくれます。寝たきりになると、死亡率がぐっと上昇します。また、ビタミンＤには免疫を高める作用があると言われており、不足するとガンになりやすくなるのです。

この飽食の時代に栄養失調という言葉は、死語だと思われているかもしれませんが、それはカロリーベースの話であって、ビタミンやミネラルなどの必須栄養素に関してはかなりシビアに不足しています。カロリーは足りてるのに栄養は欠乏。豊かな時代の新型栄養失調と言えるでしょう。

ビタミンＤに関して言えば、紫外線は皮膚に有害であることがわかっていますのでしっかりと日焼けどめをしていただくことが重要です。すると、そのせいでビタミンＤが不足しますので、それに対してはビタミンＤを食物やサプリメントなどで適切に補充するのが正しい対処法です。

日焼け対策でママはぐをビシ塗りして構いませんから、その代わり昼には天日干し椎茸（ビタミンD）でとった出汁でそうめんを食べ、そして、両足で地面を踏みしめて走り回って遊ぶのです。すると骨が良く育ちます！

以上、歯医者さんからよい子のみなさんにお勧めする、骨も体も元気で、オマケに顔がよく育ち歯並びも良くなる夏休みの過ごし方でした。