歯科医師はどうやってなるのですか?

大学の歯学部に6年間通い、一般教養や歯科医学の勉強を行います。
大学では、机に向かって話を聞いて勉強する時間と、色々な実験や実習で体を動かして勉強する時間とが半々です。
6年生の最後に歯科医師国家試験があり、それに合格すると、歯科医師免許がもらえます。
その後、1年間の臨床研修が義務付けられていますので、高校を卒業してから本格的にデビューするまで7年間勉強することになります。
最初の2年間は、一般教養が主なので、普通の大学生と似たような生活していますが、後半の5年間は実習や、レポートなどもあり、かなり根を詰めて勉強する必要があります。

朝起きた直後の家族の口の臭いが気になります。

そもそも朝起きた直後は日々の中で最も口の臭いが強くなります。これを生理的口臭と呼びます。
どうしてそうなるのかというと、寝ている間は、唾液の分泌がほとんどなくなり、口の中で増える微生物を唾液で流して飲み込んだり殺菌することができないからです。
それゆえ、朝目が覚めた直後は口の中の微生物の数が一日のうちで最も多くなり、口臭も強くなるのです。

また、ただの口臭ではなく、異常にくさいというときは

・寝る前の歯磨きが不十分である
・前日に食べたものが口臭を引き起こすようなものだった(お酒、ニンニクなど)
・寝ているときに口で呼吸している(口が乾燥して臭う)
・歯周病である
・かなり重症の虫歯がある
・飲んでいるお薬が口が乾燥する副作用を持っている
・胃の調子が悪い
・内臓に異常があり、体内の代謝がおかしくなっている

あまりにも気になるときは、歯科医院で相談してみてください。

子どものむし歯を予防したいのですがどうすれば良いですか?

むし歯の予防に関係する要因は大きく分けて4つあります。

1.虫歯菌
2.食べ物
3.歯の質や唾液の質
4.お口の清潔度

1.虫歯菌

虫歯は歯周病と同様に感染症です。虫歯菌が全くいなければ、どれほど甘いものを食べても、歯磨きしなくてもむし歯になりません。
虫歯菌は2歳半〜3歳頃にかけて、唾液を介して主にお母さん(時として周りの大人)から感染します。
だからといって、お子さんとお母さんの唾液が全く行き来しないようにするのは現実的ではありません。
神経質になるあまりスキンシップが不十分になったりするのは良くありませんし、小さい頃に親から子へ感染しておいた方が良い微生物もあるからです。
大事なのは、特にお母さんがお口を清潔にして、お口の中を善玉菌の多い状態に整えておくことです。
そうすれば子どもに良い菌を譲ってあげることができるからです。
虫歯菌がお口に住み着いてしまっている人は歯科医院で虫歯菌除菌をすることも可能です。

2.食べ物

むし歯になる食べ物と言えば「砂糖」が代表的です。
砂糖から歯を溶かす酸がたくさんでき、砂糖を原料にばい菌が歯にくっつくネバネバをだして、よりむし歯を作りやすい環境を整えてしまうからです。
しかし、砂糖以外の糖分(ブドウ糖、果糖など甘い味を生じさせる糖)や普通の食べ物でも歯を溶かす酸が発生します。
また、酸を多く含む食べ物を頻繁に取ると、歯の表面の硬い部分(エナメル質)が溶けてしまい、むし歯が進行しやすくなります。

食べる内容:酸を発生させない、ネバネバを作りにくい、酸性が強すぎない
食べ方:何かを食べると分解されて酸が発生します。だらだら食べ続けると、ずっと酸ができ続けることになります。
1日にお口にものを入れるのは4〜5回を上限としましょう。
この「お口に入れるもの」には、水やストレートのお茶は含まれません。分解されても酸が発生しないからです。
逆に、甘くない食べ物、料理の味見、飴、ガム、ジュース、砂糖やミルクの入ったコーヒーやお茶は酸を作ってしまうので「お口にいれるもの」に含まれます。

3.体質

この場合の体質とは主に歯の質や唾液のことです。

歯の質:酸にさらされたときの溶けやすさ

唾液:唾液の量(たくさん出てると菌や酸を洗い流してくれるのでむし歯になりにくい)
唾液の質(酸を中和する能力=緩衝能)

これらは元々の体質である程度決まっています。
しかし、歯の質はフッ素などで強化することができますし、唾液の質は生活習慣やよく咬むことで改善することができます。
むし歯に対抗する能力をアップしておくことが重要です。

4.お口の清潔度

歯磨きをきちんと行うことで、ネバネバ汚れを取り除き、虫歯菌の数を少なくすることができます。(主に菌の量のコントロール)
また、歯科医院での定期的なメンテナンスを行うことで、お口の中の虫歯菌の比率を少なくすることができます。(主に菌の種類のコントロール)

上記4つの条件を虫歯になりにくい状態に整えてあげると効果的に虫歯予防ができます。

歯周病はどうして起こるのですか?

歯周病は基本的に感染症ですので、菌が感染することで発病します。
歯周病の発病に強く関連していると分かっている菌は5種類あります。
歯周病は、歯と歯茎の境目に、この5種類が単独または複数住み着くことで起こります。

菌の感染が起こりやすくなる要因は

・喫煙
・加齢
・ホルモンバランスの崩れ(特に妊娠)
・唾液の減少
・免疫の低下
・ストレス
・かみ合わせ
・性生活(歯周病は性感染します)
・お口の清潔度

などなど色々あります。

でも、根本的には原因菌がいなければ起こりませんので、菌の種類をコントロールすることがとても重要なのです。

ふくしげ歯科では、どんな菌がお口の中にいるのか位相差顕微鏡という特別な顕微鏡の検査やリアルタイムPCR検査という菌のDNAを分析する検査を行い、どんな菌が何匹いるのかを調べます。
検査の結果、原因菌がたくさん居て、なおかつ歯周病の症状が出ている場合には様々な方法で菌をやっつけて、歯周病という感染症を根本的に治療します。

むし歯を削って詰めて治したはずなのに、また同じところがむし歯になるのはどうしてですか?

むし歯を削って詰めても、実は治ったわけではありません。
と言うのも削り取ってしまった歯は元に戻らないからです。

膝を擦りむいて傷が治るのは、ほぼ完全の元通りになるので治ったと言えるでしょう。
しかし足が1本まるまる大怪我などでちぎれて無くなってしまった場合は、傷がふさがったとしても、足そのものは再生してきません。
それと同じで、虫歯になって穴が開いたり、治療で削ってしまったりした部分が再生して元に戻ることはありません。
削って無くなった部分には、本来の歯とは違う素材で埋め戻します。
治ったように見えても、実は治っていない、ということなのです。

さて、歯を詰めたりかぶせたりした場合、残っている自分自身の歯と、詰め物やかぶせ物の素材(金属やプラスチックや陶器)の間には必ず境目が存在します。

割れたお茶碗をボンドでくっつけた所を想像すると分かりやすいのですが、境目の部分はとても弱い構造になってしまいます。
お茶碗なら、その部分が再びとれてしまうかもしれません。また、すき間があいて水が漏ったりするかもしれません。

歯と詰め物の境目がとれてしまうと、銀歯が外れます。
そして、すき間が空いてしまうと、その部分から唾液やばい菌が入り込み、虫歯が発生します。
そういったわけで、なにも治療をしていないにきれいな歯と比べ、治療を経験した歯は、力に対抗する能力が低く、虫歯にもなりやすいのです。

詰めてもかぶせても決して元には戻らない。
だからこそ、私たちは可能な限り、治療せずに歯を守りたいと考えるのです。