私たちは「予防こそ最良の治療である」と考え、予防歯科治療に力を入れてきました。
歯科医院で行なう治療のうち、最も重要で、最も患者さんを幸せにするのは予防だと考えています。
歯を失う大きな原因は3つです。
1.虫歯
2.歯周病
3.噛み合わせ
虫歯や歯周病は菌に感染することで起こります。
逆に気に感染しなければ、虫歯や歯周病は起こりません。
お口の中に存在する菌の種類のコントロールが重要なのです。
それを行うのが、歯科衛生士です。
歯科衛生士は2〜3年間学校に通い、予防歯科について徹底的に勉強や訓練をします。
そして、卒後、歯科衛生士免許と言う国家資格を取得し、予防歯科のスペシャリストとなります。
歯科医院専用の特殊な器具を使って、20分〜30分かけて丁寧に歯石やプラーク(ネバネバ汚れ)を取り除きます。
これは、単にきれいに掃除をして「さっぱりしたなぁ」と思っていただくために行っているわけではありません。
徹底的に隅々まで徹底的にお掃除をすると、歯周病や虫歯の原因となる悪玉菌が住みにくい環境になります。
逆に、お口の健康を守る善玉菌は住みやすい環境になります。
そのため、歯科医院でお掃除をした後は、数ヶ月にわたって善玉菌が多い状態を維持できるのです。
つまり、歯科衛生士によるメインテナンスは菌の種類のコントロールを目的としているわけです。
実際に、最初は歯の汚れがネバネバして落としづらかった方も、メインテナンスを1年間行うと汚れの質が変わってきます。
ネバネバが少なくなり、サラサラしたプラークになります。これは、ネバネバ物質を出す種類の菌が減ったということを意味しています。
ネバネバを出す菌が減ると、虫歯や歯周病を引き起こす悪玉菌にとっては、住環境が悪化することになりますので住みにくくなります。
また、汚れがサラサラなので歯ブラシでお掃除したときに汚れがすぐに落ち、いつもきれいな状態に保つことができます。
歯科医院でのお掃除の後、数ヶ月間は患者さんご自身で歯のお手入れを行うことになります。
日が経つにつれ磨き残しが増え、それに伴って徐々に悪玉菌の比率が増えてきます。
そのため、歯のメインテナンスは3ヶ月から6ヶ月に1度、行う仕組みになっているのです。
また、無理な噛み合わせの力がかかるとその歯が割れたり、虫歯になったり、揺れたりして抜けてしまいます。
歯の位置は年々少しずつ動いていきますので、時々噛み合せをチェックして調整する必要があります。
これに関しては、歯科衛生士が、歯の揺れや、歯の欠け具合、歯茎の様子などから、噛み合わせの異変をチェックします。
歯科衛生士が全体をチェックした後、歯科医師がもう一度全体をチェックします。
異変があれば、歯科医師が調整や治療を行います。