むし歯を削って詰めて治したはずなのに、また同じところがむし歯になるのはどうしてですか?
2014.06.26
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むし歯を削って詰めても、実は治ったわけではありません。
と言うのも削り取ってしまった歯は元に戻らないからです。
膝を擦りむいて傷が治るのは、ほぼ完全の元通りになるので治ったと言えるでしょう。
しかし足が1本まるまる大怪我などでちぎれて無くなってしまった場合は、傷がふさがったとしても、足そのものは再生してきません。
それと同じで、虫歯になって穴が開いたり、治療で削ってしまったりした部分が再生して元に戻ることはありません。
削って無くなった部分には、本来の歯とは違う素材で埋め戻します。
治ったように見えても、実は治っていない、ということなのです。
さて、歯を詰めたりかぶせたりした場合、残っている自分自身の歯と、詰め物やかぶせ物の素材(金属やプラスチックや陶器)の間には必ず境目が存在します。
割れたお茶碗をボンドでくっつけた所を想像すると分かりやすいのですが、境目の部分はとても弱い構造になってしまいます。
お茶碗なら、その部分が再びとれてしまうかもしれません。また、すき間があいて水が漏ったりするかもしれません。
歯と詰め物の境目がとれてしまうと、銀歯が外れます。
そして、すき間が空いてしまうと、その部分から唾液やばい菌が入り込み、虫歯が発生します。
そういったわけで、なにも治療をしていないにきれいな歯と比べ、治療を経験した歯は、力に対抗する能力が低く、虫歯にもなりやすいのです。
詰めてもかぶせても決して元には戻らない。
だからこそ、私たちは可能な限り、治療せずに歯を守りたいと考えるのです。