河内長野市の歯医者・歯科医院 ふくしげ歯科 千代田駅徒歩5分 歯周内科(歯周病治療)

ふくしげ歯科
〒586-0001 大阪府河内長野市木戸1-36-6

「歯が痛い!」でもちょっと待って!それって歯が原因じゃないかも

2014.07.02
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7月に入り夏野菜がとれる季節になってきました。梅雨もあと少しですね。これからの季節はキュウリがバカスカなるので毎日がキュウリバイキングです。お気に入りは、千切りにしてごま油・しょう油と和えたものです。生のおろしニンニクをちょっと加えると抜群なんですけど、次の日患者さんが瘴気に当たるといけないので、どうにか思いとどまってます。

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さて、ふくしげ歯科はなにしろ歯科ですので、来院する人の多くは「歯が痛い」という症状を抱えています。(他には「学校帰りにトイレ貸して」とか「駅の帰り道が暑すぎて行き倒れそう」とか様々な来院理由があります。)歯医者ならではの「歯が痛い」という症状ですが、簡単に「歯が悪いからだろ」と決めつけてはいけないというお話をします。

歯が痛いと言っても色々あります

歯が痛いという時はたいてい、むし歯、根っこのウミ、歯周病、外傷(こけて歯を打ったとか)、寝てる間に食いしばりすぎによる歯の痛み、のいずれかが多いのですが、意外に歯と全く関係のない原因で痛むことも多いのです。

ここに「ふくしげ歯科における歯が痛いという訴えで歯が原因じゃなかったケース 多い順ベスト4」というローカルなランキングをお示ししましょう。

1位 急性上顎洞炎

上顎洞炎というのは鼻の横の空洞である上顎洞にウミがたまる状態です。

上顎洞ってのはここです。
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東京逓信病院より

 

「上の奥歯が痛い!」と来院して、実はこれだったという事がかなりの頻度で見られます。特に風邪を引いた直後に、急に上の奥歯が痛くなると怪しいですね。症状としては他に、鼻づまり、鼻からウミのような鼻水が出る、頭痛、目の奥が痛い、などがあります。ある患者さんは「せ、先生、目が飛び出しそうに目の奥が痛いんです!」とおっしゃってました。諸症状とレントゲンで割と速やかに診断できます。治療法は抗生物質を飲むことです。軽い場合は放っておいても勝手に治ります。さっきの目が飛び出しそうな患者さんは典型的な急性上顎洞炎だったので、耳鼻科に行っていただき、抗生物質を飲まれて、良くなったようです。

また「体育の時間に走ると犬歯の横の歯が痛む」と訴えてきた女の子。数日前に風邪を引いたばかりで、副鼻腔に炎症が生じ、飛び跳ねた際に副鼻腔内にたまった体液またはウミがチャプチャプなって歯の根っこの先を刺激していた模様です。症状が軽かったので何もせず数日様子を見ているうちに治りました。私自身も鼻風邪引いた直後に犬歯のちょっと奥の小臼歯のあたりが頭を動かしたときに痛かったことがありましたが、これも自然に治りました。この程度の症状は多くの方が経験されているのかも知れませんね。

2位 顎関節症

患者さんが「この辺の歯が痛いんです」と奥歯の外側のほっぺたを指さすときは要注意です。具体的にどこがどんな風に痛いのか聞いてみると、顎の関節や顎の筋肉が痛んでいる事が多いからです。それらはまとめて顎関節症という病名にくくられます。顎関節症には様々なタイプがあり、筋肉が緊張して痛いタイプ、顎の関節が悪いタイプ、精神疾患の一形態として現れるタイプ、などです。領域が近く、歯も同時に歯が痛む事も多いので診断が難しいのです。

3位 帯状疱疹

これも意外と多く経験しています。帯状疱疹というのは水痘ウィルスによって起こります。水痘ウィルスっていうのは水疱瘡のウィルスです。多くの場合、子どもの頃かかったのが体の中に潜んでいて、体が弱ったときに形を変えて再び出てきます。出る場所は顔・胸・腰が多いです。最初はピリピリした感覚があるだけなのでなかなか帯状疱疹と気づきませんが、症状が進むと、横になって寝ることもできないほどの激痛や、まとまってできる発疹で、これはただ事ではないと気づきます。ただ、問題なのはその時点で発見されるのでは遅いという事です。早く発見できれば、抗ウィルス薬で押さえることができますが、時間が経過するとひどい痛みと衝撃的な見た目のブツブツが生じ、そして神経痛とブツブツの痕が残る可能性が高くなります。
一生のうちで6~7人に1名掛かるということは、何と10%以上もの方が経験するんですね!そら、ちょいちょい見かけるわけですわ。再発率は1%程度とのこと。でもうちで見つかった方の中に「1回なったのに!」と言っている方がいらっしゃいました。1%のレアケースだった模様です。

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グラクソ・スミスクライン株式会社バルトレックスより

私自身、これまで何人もみたのでわりと早期にピンとくるようになり、歯が痛いとか顎が痛いとかで来院された方を数名皮膚科に紹介しましたが、自分の家族がかかったときには「腰が痛い、神経痛かも」と言っているのに全然気付きませんでした。初期症状だけでは他に色々な可能性があるので、たとえ症状を知っていても気付きづらいんです。

4位 三叉神経痛

「咬むと歯がピリッとする」という症状を訴えてこられた患者さん、顔を洗うときにもビリッとくるとのことでした。日常生活に支障はないそうですが、顔のある部分(トリガーポイントとかトリガーゾーンと呼ばれる)を押すと広がるように痛むという典型的な特徴があったので、三叉神経痛だろうということで大学病院に行ってもらいました。実際にそうだったようで、投薬治療を受けられる事になりました。通常は突然現れる激痛という症状が多いようですが、この患者さんのように、あまり強くない痛みの場合もあるんですね。

 

非歯原性歯痛(歯が原因じゃない歯の痛み)の分類

日本口腔顔面痛学会の「非歯原性歯痛診療ガイドライン」によると、歯に原因がない口周辺の痛みは以下のように分類されるそうです。

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うちで今のところ経験していないのは神経血管性歯痛、心臓性歯痛(狭心症など)、精神疾患による歯痛です。

神経血管性歯痛:血管と神経は近くにあることが多く、動脈硬化やその他の理由で血管が神経を圧迫して強い痛みが生じることがあります。
心臓性歯痛:狭心症など心臓の発作は最初の症状が胃の痛みだったり肩の痛みだったりする事は有名ですが、「歯が痛い」からスタートする場合もあるのです。

精神疾患による歯痛:精神疾患の方は肉体的にはどこも悪くないのに痛みを感じる事がありますが、その一つの場所が歯なのです。

 

「歯が痛い」といっても色々あるということがお分かりいただけましたでしょうか?歯科医師である我々も、色々な可能性を念頭に置いて診療に当たらなければならないってことです。

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