河内長野市の歯医者・歯科医院 ふくしげ歯科 千代田駅徒歩5分 歯周内科(歯周病治療)

ふくしげ歯科
〒586-0001 大阪府河内長野市木戸1-36-6

都市伝説を検証:「完璧なむし歯予防法はすでにこの世に存在しているのに、公表したら仕事がなくなるから歯医者がその方法を隠している」って本当?!

2014.07.03
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ニュースによると今日はものすごい豪雨になるそうです。その中で、北九州の現在の様子が写されていました。私の母校は北九州にあるのですが去年の集中豪雨の際に水没したようです。大丈夫かなぁ。

これは昨年水没したときの九州歯科大学の食堂の様子(友人N撮影) あの時、地下室とかどうなったんだろう?

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さて、世の中にはたくさんの都市伝説があります。トイレの花子さんからエネルギー政策、製薬業界に至るまで、「本当かも」と思えるようなものもあれば、「そんなわけないわ」というものまで色々あります。その一つに「完璧なむし歯予防法はすでにこの世に存在しているのに、公表したら仕事がなくなるから歯医者がその方法を隠している」というのがあります。今日はひとつこれについてじっくり考えてみたいと思います。

歯医者の子供は、虫歯にならない

一部の例外を除いて、歯医者の子供はほとんど虫歯になりません。それは歯科医師が砂糖の制限や、フッ素の使用、シーラントなど現代歯科医療の技術・知識の粋を集めて、幼い我が子の歯を守るからです。私の先輩の所でも以下の事をきちんと守って、むし歯ゼロで子育てしていました。

・5歳になるまでに味覚が決まってしまうので、5歳までは砂糖の入った食べ物を与えない(味を覚えさせない)。おやつは果物などに限定。
・歯の溝にシーラントを実施(歯の溝をフッ素配合の樹脂で埋めてむし歯が入らないようにする)
・1日に1回は隅々までホームケアをする(糸ようじなんかも使ってね)
・3ヶ月に1回は歯科医院でチェック・ケアを受け、フッ素塗布(歯科用フッ素)
・お母さんの口から、子供の口に悪玉菌ではなく善玉菌が供給されるよう、お母さんのお口のケアもしっかりする。

これだけのことを守れば、ほぼ間違いなく子供の虫歯を防げます。そして多くの歯科医師は自分の子だけじゃなく、患者さん(保護者のかた)にも同じことをすすめ、その実行をサポートしています。きちんと取り組んだ家の子供は、当然のことながらむし歯ゼロで成長していきます。「やることやったらむし歯はできない」わけです。一つ一つはじつに簡単なことです。でも、簡単なことを確実に実行するのはなかなか難しいものです。

さらに、もっとマニアックにやるのなら、3DSと言う虫歯菌除菌システムが存在していますし、使われているという話を聞いた事ありませんが虫歯予防ワクチンというものも存在していますね。むし歯のためだけにワクチン接種っていうのもどんなものでしょうかねぇ。ワクチンには当然リスクがつきもので、健康上のメリットがリスクを上回らないと使いません。

ちなみに、3DSとはダイレクト・ドラック・デリバリー・システムの略。虫歯菌除菌システムで、殺菌作用のある安全な薬剤を歯に合わせて作ったマウスピースに盛りつけ、歯にピチャッと当てて除菌します。面倒なのと、費用が高いのであまり普及していません。

結論1:歯科医師は自分の子供をほぼ完全に虫歯から守る簡単・確実な方法をすでに持っており、しかもそれを自分の患者さんにもオススメしている。
しかし、それをきちんとやりきることができないため、未だに虫歯になる子供が存在する。

大人の場合はどうでしょう?

大人の場合は、虫歯で歯が悪くなって、歯を失うこともありますし、それ以上に歯周病で歯を失うことが増えてきます。虫歯で歯を失うことに対しては、子供と同じ対処でOKです。歯周病に対しては、お口の中にいる菌の種類を特定し、歯周病の原因となる悪玉菌を除菌し、その後、年に数回のメンテナンスうこと。要するに歯周内科治療ですね。これだけやればお口のトラブルは激減します。

結論2:大人の場合、既に悪くなっている歯があったり、歯の本数が減っていたりするので、子供より歯を守るのは難しいが、虫歯に加えて、歯周病もかなりパワフルに防止できる方法を歯科医師は持っている。そして、すでに患者さんに対して推奨している。

そもそも歯科医師は自分が入れたかぶせ物などがダメになって、患者さんが戻ってくるのをひどく嫌います。なぜなら、多くの歯科医師は職人だからです。自分がやった仕事がいとも簡単に壊れてしまうのを見るのが大嫌いなのです。患者さんからあの歯科医院のかぶせはすぐダメになるとか言われたら名折れで、プライドが大いに傷つくのです。

ちなみに、表題の「歯医者が・・・」という部分のバリエーションとして「歯科医師会がフッ素の利用を妨害している」というものをよく見かけます。私自身、ヒラの名前だけ会員ですが、それでも中で実際にどんな活動をやっているかは知っています。歯科医師会は、予防歯科を普及させるのに、めっちゃ手間とお金を使っています。科学的な目でよく調べてみるとフッ素って実際にとても効果的なんですが、そのことを隠さずちゃんと公表し、そればかりか歯科医師会主催の歯の健康フェアなどで市民のみなさんに無料で塗布したりしています。だからといって誰も妨害を受けたりしません。

ところで、ぶっちゃけ虫歯って増えてるの?

様々な立場の人々が長年、努力した結果、実は虫歯の罹患率は着々と減っています。

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公益財団法人ライオン歯科衛生研究所より

これは砂糖の摂取量が減ったから、フッ素入り歯磨き剤が使われるようになったから、口腔衛生指導が効を奏したから、など様々な要因が関係していると言われています。

年代別の歯が残ってる本数だってほら、島根県のデータですがほらこの通り。

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島根県より

実は入れ歯って作っても保険点数が低いんですよ。時間も掛かるし、技工士さんに作ってもらう技工料も高いし、総義歯なんかはどこの医院でも基本的に赤字部門です。しかも一旦作って、うまくかめるようになったら、その後何年も来なくなる人が多いのです。歯があってこそ我々の仕事がある、逆に守る歯が無くなると、歯医者はやることがほとんどなくなっちゃうのです。というわけで「むし歯が無くなると、歯医者の仕事が無くなる」という前提が間違っていて「守るべき歯が無くなってしまうと、歯医者の仕事が無くなる」というのが本当のところです。

というわけで結論

ほぼ完璧なむし歯予防法はすでにこの世に存在しているし、歯医者は一生懸命それを広めようとしている

ちなみに、都市伝説といえば、昔から歯科大学で言い伝えられているのが「昔うちの大学病院に『この銀歯は宇宙人が電波を出す発信機を仕込んでるんです。このままではUFOにさらわれるので、何とか歯を抜いてくれ』と訴える患者さんが来て対処に困ったらしい」というものです。うちの大学だけじゃなくよその大学でも同じ話が先輩から後輩に脈々と受け継がれているようです。実際にあったことなのか、そうでないのかはいまだに不明です。この患者さんに当たった先生はぜひご一報下さい。

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