歯並びと呼吸と睡眠の意外な関係
梅雨入りしたものの、降りそうになっては晴れ、ちっとも雨が降らない大阪ですが、あじさいのつぼみはどんどん膨らんできています。

ムシムシした季節になると美味しく感じるのはカレーです。もともとカレー好きなので別にムシムシしなくたって美味しいんですけど、何かと理由をつけてはカレーを食べたがるわけです。(酒飲みと一緒)
ネット上で話題になっていた「いなばツナとタイカレー」のことがずっと気になっていましたが、ローソンストア100でしか販売されていなかったのでなかなかお目にかかれませんでした。
そんなある日、検診の帰りに普通のローソンに立ち寄ったところ、何と売ってるじゃありませんか!
すかさずあるだけ(赤・緑の2缶)購入して帰りました。

食べてみると、噂にたがわぬおいしさ。お店レベルの本格タイ料理でございました。
いつ見ても品薄気味なので、めっちゃ売れてる様子です。是非お試し下さい。ってみんなとっくの昔に知ってるのかもしれません。
そんなことはともかく、今日は歯並びが悪いことと睡眠の質には濃厚な関係があるということについてお話ししたいと思います。
私たちはランパ矯正というお顔の骨にアプローチする矯正治療を行っています。
治療を受けている子どもたちの多くは歯並びを治したいということで当院を訪れます。
コンサルテーション(治療内容の説明)を行うときに、生活のことを詳しく聞き合わせます。
すると、多くの子どもたちに呼吸の異変が見つかります。特に睡眠時の呼吸が厳しいんです。
何が厳しいのか?それを一言でいえば
息が通りにくい
ということです。
具体的には
・寝息が荒い
・イビキがいひどい
・歯ぎしりがひどい
・いつも横向きで寝ている
・いつもうつ伏せで寝ている
・寝苦しそうな苦悶の表情を浮かべている
これらは全て寝ているときに息の通りが悪くなっていることを表しています。
寝る姿勢に関しては、あお向けで寝るとベロが重力で後ろに落ち込み、呼吸できなくなるから横向きやうつ伏せで寝てしまうのです。
親御さんは「こういう状態は昔からだし、一緒に育てている兄弟全員が同じ状況だから、子どもってこんなものなんだろう」と思っていらっしゃることが多く、なかなか異変に気づけません。
でも本当は風邪で鼻が詰まっているとか、特別につかれているといったことでもない限り、小児の寝顔は穏やかで、寝息はスヤスヤが普通なのです。
睡眠時の呼吸に大きな音がするほどの空気抵抗があると、辛くてかないません。
さて、このことと歯科との間にどんな関係があるのかというと、顎の骨が小さいことでつながっています。
そもそも矯正治療の話を聞きに来る状況のお子さんはあごの骨が小さいものです。
歯並びが悪くなる根本原因はあごの骨の発育不足だからです。
あごの骨の発育が不足する
↓
歯が並ぶ場所がない
↓
歯並びが悪くなる
という流れですね。
それに対して睡眠時の呼吸障害は
あご発育不足
↓
ベロの居場所がない
↓
ノドの方にベロが押し込まれる
↓
息の通り悪くなる
↓
呼吸しづらい
という経路で起こります。
NHKのためしてガッテンでも取り上げられていました。
無呼吸症候群は中年以降に急激に悪化します。男性は35歳以降、女性は50歳以降です。
若い頃には何ともなかった人が、この年齢を過ぎる頃からイビキや無呼吸に悩むようになります。
加齢現象で筋肉がゆるむからです。
本来イビキをかくはずがない子どもがイビキをかくということはよっぽど気道が狭いということです。
そういう人が、中年になったらどうなるかというと、重度の無呼吸症候群に陥る可能性が高いんです。
ひどすぎる人はCPAP(持続陽圧呼吸療法)という人工呼吸器みたいな器械につながる治療をしないと、寝てるときに息ができないという状況に陥ります。
詳しくはこちらをご覧下さい。
私たちは顎が小さいことや歯並びが悪いことに関して、見た目のことだけ心配しているのではありません。
そんなことよりむしろ、息をする、ぐっすり眠るといった生命維持に重要な機能が損なわれていることを心配しているのです。
逆に言えば子供の頃に十分あご育てて、太い気道を確保しておけば、中年以降に少々筋肉がゆるんでも睡眠時に息ができるわけです。
このことを危惧している歯科医師が集まってJACGという会を立ち上げ治療と予防に関して研究を続けています。
ここ数年で、呼吸に問題を抱える子どもが激増していますので、これから大きく発展していく治療分野です。






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