皆さん、ごきげんよう。今日はふくしげ歯科の歯科医師数名でかみ合わせの勉強のため九州に来ています。観光を満喫することなく、朝から晩までみっちりです。歯並びといいますと「この歯のこの出っ張りはここに来るべし」「この歯のこの出っ張りは、別の歯のこの部分に当たるべし」などという細かい決まりごとがあります。それぞれの歯のとんがり、くぼみ、みぞ、には一つ一つ意味があって、アゴの動きとマッチして実に機能的なんです。人の体について学べば学ぶほど、自然の偉大さを思い知ることになります。
うーん、実に美しい・・・・
さて、今日のテーマは赤ちゃんのゼッペキ頭です。「歯科に関係あるの?」と思われるでしょうが、大いに関係があります。その辺のことはまた後ほど。
絶壁頭を防止するにはこういうドーナツ枕が有名ですね。もふもふしてて気持ちよさそうです。このエントリーでは、これとは別の対策についてお話します。
先日、この本の著者である助産師の吉田敦子さんの講義を聴きました。
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「おなかにいるときからはじめるべびぃケア: 妊娠・出産・育児を気持ちよく」
吉田さんの手に掛かると、ちょっとの間に妊婦さんのおなかの形がガラリと変わって、大きなおなかを抱えて立つのが凄く楽になったり、赤ちゃんに適切なマッサージをすることで、体のこわばりがスッとなくなり、手足の関節が大きくスムーズに動くようになったりするのです。思わずマジックハンドと呼びたくなります。お話の中で色々なテーマが取り上げられましたが、頭の形がきれいに育つために大事なポイントも教えていただきました。それは・・・・
「頭を色々な方向に向けて寝かせる」
もう少し詳しく解説しますと、新生児の頭は非常に柔らかく(特に生まれて数ヶ月)、その時に下敷きになっている部分の骨がへこんでしまいます。何らかの理由で顔をいつも同じ方に向けていると、同じ場所が下敷きになります。たとえば・・・
添い寝するときに同じ方に寝かせる・・・赤ちゃんはお母さんの方を向きます
ベビーベッドにいつも同じ向きで寝かせる・・・赤ちゃんは大人がいる方、テレビがついている方を目で追います
抱っこするとき常に同じ向きで抱く・・・同じ姿勢をとり続けることになります
対策としては、顔が色々な方向に向くように寝る時の頭の方向を定期的に逆にしたり、抱っこの仕方を工夫してあげたりする。また、昔ながらの「おくるみ」も有効だそうで、赤ちゃんを布できつくない程度にしっかりとくるんであげると、体が安定するのでリラックスできるようです。その状態で、時々顔の方向をあっちに向けたりこっちに向けたりしてあげると良いのです。
そこのお若いの、左も向きなされよ。
骨がひずむのは見た目が悪くなるだけではなく、その後継続して顔の発育に影響を及ぼします。顔の骨は、パズルのようにいくつもの骨が組み合わさってできています。
グレイ解剖学より
骨同士は、様々な形で隣の骨とジョイントしています。骨が正常な形であれば全体としてスムーズに成長できるように仕組まれているのですが、パーツのうちいくつかが変形するとその部分が引っかかって、他の部分の発育を邪魔してしまいます。前回、人間の頭は風船が膨らむように育つという話をしましたが、丸く膨らまず、どこかがへっこんだいびつな形になってしまうわけです。そうすると、歯並びも悪くなってしまうわけです。
ちょっとした気遣いで、ゼッペキ頭を防ぎ、顔の発育を良くし、歯並びが悪くなる要素を減らす事ができるので、妊婦さんや赤ちゃんを育てている方に教えてあげて下さいね。