河内長野市の歯医者・歯科医院 ふくしげ歯科 千代田駅徒歩5分 歯周内科(歯周病治療)

ふくしげ歯科
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子育て中のお母さんの悩み。インフルエンザワクチンって本当はどうなの?

2015.01.24

 

インフルエンザの大流行を受けて、ここのところ「WHOがインフルエンザワクチンを推奨していない」という旨のソーシャルへの投稿が頻繁に出回っています。危険で効果のないワクチンを打って医者と製薬会社が大もうけでウハウハ。というのが彼らの描く図式です。一般の方だけならともかく医療関係者までもが脊髄反射的にシェアしているを見て、心配になってきました。多い年には日本だけで年間1万人以上の死者が出るという身近でありながら深刻な病気ですので、今日はこれについて書くことにします。

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ちなみに私は一介の開業医で、しかも歯科ですのでワクチンを打ってもらうことはあっても、患者さんに打つことはありません。ですから、ワクチンに関係する利害関係は全くありません。「ワクチンが普及したらウハウハ」どころか、懐が痛む一方であることを、ここに申し添えておきます。

出回っていたのはこれ

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Business Journal, 2015.01.23(魚拓)

ちなみにこの(魚拓)っていうのは何かというと、時間が経過するとエントリーが消えてしまい、リンクが繋がらなくなっちゃうので、消えた後も見られるように別の場所に保存しておく事をさします。魚自体が無くても魚の姿をとどめる魚拓とそっくりです。また、直接リンクを張ってみんながアクセスすると検索上位に上がってしまい、より多くの人がこの誤った情報に接することになるので、このように処理するんですね。(後ほど出てくる「うさうさ」さんが設置した魚拓です)

 

確認したところ元記事は確かにありました。こんなに立派そうなサイトに書かれていると、鵜呑みにしたくなりますよね。でも、よく見てみると著者情報は文=編集部となっており、インタビュー相手も(内科医)とだけ書かれています。文責が誰にあるのか全く分からない文章です。

WHOはインフルエンザワクチン接種を推奨している?いない?

上記の投稿に対して素早く反応したのはこちら(うさうさメモ)でした。これ自体、個人が書いてらっしゃると思われるブログなので、私も自分でWHOのWebサイトを調べてみました。すると、そこに書かれていたのは・・・・・・

2014年3月

主な事実(抜粋)

・季節性インフルエンザは、人から人へと広がりやすい急性ウイルス感染症である。
・季節性インフルエンザは、高リスク集団に深刻な病気や死を引き起こす重大な公衆衛生問題である。
・インフルエンザワクチンは、感染を予防する最も有効な方法である。

WHOのWebサイト インフルエンザ(季節限定)

「うさうさ」さんが書かれているように、どうも、普通に推奨されているようですね。今の医療知識&技術を総合的に考えると、打った方が良いというのがWHOの見解です。もちろん私も打ってます。

 

ちなみに先日「ワクチン打ってるはずの看護師が重症化して死亡したからには、やっぱりワクチンは効かないんだ」というのも出回ってましたが、ワクチンを打ってても絶対にかからないわけじゃありませんし、打ってても重症化する人はある一定確率で出ますので、あしからず。ワクチンってのは確率論的に効果はありますが、特定の個人に対する効果を保証するもんじゃありません。

 

ま、予想どおりの展開で結論がすぐに出てしまい、もう書くこともなくなってしまったのですが、ここでお勧めの本を1冊ご紹介します。

 ワクチンに疑問を持つ方におすすめの本

ワクチンに疑問をお持ちのみなさまにおかれましては、この本をぜひぜひお読みください。

予防接種は「効く」のか? ~ワクチン嫌いを考える~ 岩田健太郎 著

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岩田健太郎先生は神戸大学医学部の教授で感染症の専門医です。だからといって頭ごなしに「ワクチン打つべし」といっているのではありません。

 効果とその限界

 メリットとデメリット

こういったこともバランス良く取り上げ、実に細部にまで疑いの目を向けつつ「今のところ、こういうことが分かっていて、こういう風に判断できるでしょう」という事が書かれています。そして、全くの素人でも理解できるように、多様な事実を上手に整理しつつ、簡単な言葉や、分かりやすい例え話を使って、説明してあります。インフルエンザ以外のワクチンについても書かれています。

ワクチンに賛否両論が絶えない理由

ワクチンに賛否両論が絶えないのには訳があります。以下、上記の本からの抜粋です

 まずワクチンというのは、絶対的な存在ではありません。ワクチンを接種されたとしてもやはりその病気にかかってしまうことは、あります。反対にワクチンを打たなくても平気にかからないラッキーな人もいます。

つまりワクチンとは、あくまでも相対的な存在なのです。白黒はっきりしない煮え切らない存在なのです。このことをまず確認すべきでしょう。

例えば、インフルエンザワクチン接種してもインフルエンザになってしまう人はいますし、ワクチンを打たなくてもかからない人はいます。

しかし、たくさんの人を集めて数えてみると、やはりワクチンを打った人の方がワクチン打たない人に比べるとずっとインフルエンザにかかりにくいのです。(中略)

要するにワクチンとはシートベルトのようなものです。シートベルトをしたからといって交通事故に遭あわないとか、交通事故で死なないことを保証するものではありません。シートベルトちゃんとしていても交通事故で亡くなる不幸な人がいるでしょう。しかし、そのような例でもって「シートベルトなんていらないよ」と断じてはいけないのです。

岩田健太郎 著  予防接種は「効く」のか? ~ワクチン嫌いを考える~ より

つまり、ワクチンは白の部分と黒の部分の両方を持つグレーな存在というわけです。白と主張すれば確かに白の側面もある、黒と主張すれば確かに黒の側面もある、だから「白だ」と言う人と「黒だ」と言う人の間で、いつまでたっても決着がつかないのです。人間は白でも黒でもないものをグレーのままで受け止めるのが苦手な生き物なんですね。

医療の本質はリスクとメリットを天秤にかけること

ところで皆さんはなぜ、医師や歯科医師に免許があると思いますか?

 

大きな理由の1つは、医師や歯科医師が行う医療行為は、ある意味患者さんの体を傷つける行為だからです。私も大学で専門教育が始まってすぐの授業でそのことを教わりました。注射の針を刺す、皮膚にメスを入れて切り裂く、歯をドリルで削る、重大な副作用を起こす可能性が(ごくわずかだけど)ある薬を飲ませる、など、多くの医療行為は患者さんの体を傷つけたり危険にさらしたりします。無免許の人が行ったところを想像してみてください、まるっきり犯罪行為でしょう?

 

多くの医療行為はメリットとデメリットが表裏一体となっており、そのバランスを上手に取るのが医師や歯科医師の仕事なのです。リスクとメリットを比べ、やったと時とやらなかった時を比べ、患者さんの年齢、性別、体力、病状、置かれている社会的状況なども考慮に入れて、一番患者さんのためになる可能性が高い方法は何かな?と考えるのです。ワクチン接種もその一部だと考えると分かりやすいのではないでしょうか?

 

確実にそこに存在するリスクを越えてしか前に進めない。これが医療の現実であり、宿命なのです。でもこれって人生そのものにも言えることですよね?今から車に乗って友だちと映画を観に出かけるとした場合、家にじっとしているよりは、明日の朝、生きていられる確率はごくわずかに低下するかも知れません。しかし、だからといって家から一切出ずに過ごすと、今度は運動不足などで長期的な死亡リスクが増えてしまいます。さらに、リスクを恐れて、誰とも会わず、どこにも行かない人生というものに果たして意味があるのか、という問題も出てきます。結局、生きるっていうのはそういうことなのです。

 

と、身も蓋もない結論が出たところで本日はこれにてお開きといたします。

 

今、沖縄出張中です。お友達の先生にとびっっきり美味しいソーキソバをごちそうになりました。手打ちブリブリ麺、コクのあるスープ、トロトロのソーキ。ソーキソバってこんなに美味しいものだったとは・・・・

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