常に最新の情報を取り入れつつ、基本に忠実な治療を行うことを目指します。

ふくしげ歯科
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悲報!中国に完敗!日本の歯科の衛生管理 (読売滅菌報道シリーズ1/3)

2014.06.26
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ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、このところ国民の皆さんの歯科への信頼を揺るがす報道が相次ぎました。いずれも読売新聞社からのものです。内容は滅菌・消毒の処理が不十分な歯科医院が多く、歯科治療を通じてB型肝炎、C型肝炎、エイズなどの血液を介して移る病気に感染してしまう危険性があるというものでした。

読売新聞の一連の報道

第一弾
5月18日(日) 第一面
歯削る機器、滅菌せず再使用7割…院内感染懸念

第二弾
5月24日(土) 社説
歯科の滅菌問題 院内感染防止策を徹底せよ

第三弾
6月5日(木) 記名記事
歯削る機器使い回し…高い滅菌費 改善の壁に

といった具合に、相次いで大きな扱いで報道されました。私はこれを読売ショックと呼んでおります。

でも、これって本当なのでしょうか?ちゃんとやってるところが3割しかないなんて、にわかには信じがたい数字ですよね?

元となったと思われる調査はこれの今年版と思われます。最新版は現在一般にはまだ入手できない状態ですので、少し前の調査結果ですが平成23年のものを見てみましょう。厚労省の研究データベースの中にあるものなので一般の方が読むにはちょっと難しいと思いますので、その中から要点をかいつまんで書くと、こういうことです。

歯を削る器具についてのデータはというと、東海地区某G県にアンケート調査した結果・・・

患者ごとにハンドピース(歯を削る道具)を交換(して滅菌)している歯科医院

平成20年 21.7% 平成23年27.6% 5%も改善してるね!

ふんふん、確かに読売第一弾報道では7割がやってない、ということですから、やってる3割なら合致しますね。ちなみに某G県ってGIF県のことですよね。全然「某」じゃないやん!

しかし、実はこの調査には裏があって、アンケート回収率が平成20年が58.1%で平成23年が10.8%となっております。こういうアンケートは後ろ暗い所のある人は応答しないことが多いので、実態はこれより低いと思われます。全国の歯科医院を見学し続けてきた私の実感としては、実態はこのデータの半分ぐらいかな~という感じがしています。(証拠はありませんが)というわけで、この報道は本当な上に、実態はもっとひどいかも知れないということです。

よその国を笑うなかれ

ちなみに、日本人の多くが眉をひそめて中国の衛生状態の悪さや倫理観の無さをあげつらっています。テレビでも一時期そういう扱いの番組が多かったのを記憶しておいででしょう。

しかしながら「中国の都市部の開業医では器具の滅菌をキチンとやってるのは当たり前」なのをご存じでしょうか?

中国の都市部の歯科治療器具の滅菌実施率ほぼ100%
日本は30%(実態はもっと低いはず)

日本の歯科界は衛生管理の面で中国に完敗!

まことに遺憾な結果です。

なぜ、中国ではこんなに滅菌率が高いのか?それは「衛生当局の抜き打ち立ち入り検査」があるからです。やってないのが見つかったら資格取り消しなど、大変な目にあうからなんですね。ちゃんとやってるじゃないの、中国。

私の滅菌および歯周病治療の師匠が先ごろ上海の歯科医院を見学に行き、院内感染防止対策の話になったところ、日本に留学経験を持つ歯科医師から「あぁ〜、日本は滅菌ダメダメだからね〜」と哀れむように言われたそうです。うちの師匠は「くっ、悔しい・・・・でも本当だから反論できない」と奥歯をギリギリさせながら帰ってきたそうです。

日本も抜き打ち立ち入り検査やれば良いのにね!

ともかく、相次ぐ報道で歯科界は蜂の巣をつついたような騒ぎでして、歯を削る道具のスペアや滅菌器が飛ぶように売れて、機種によっては来年の2月まで入荷しないとか、値引きが無くなりこの報道以前より遙かに値上がりしているとかいった話をあちこちで聞きます。滅菌関連メーカーはずいぶん活気づいているようです。これはとても良いことです。全国的に歯科の安全対策レベルが引き上げられることになったわけですから。

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ふくしげ歯科の歯を削る道具 滅菌には時間が掛かるので、何本もの予備が必要

 

ちなみにふくしげ歯科は何も買い増す必要はありません。何でかというと、もともとちゃんとやっていたからです。(←自慢)

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こういう機材も品切れ続出だそうです。

 

院内感染防止対策を慌てて構築せずに済んでいるので、本来はゆったりできるはずなのですが、読売ショック以降、別の意味でとても忙しくなっています。私が副会長をつとめている国際歯周内科学研究会では10年以上前から歯科医師に向けて院内感染防止対策の重要性ややり方を教えてきました。ここへ来て、全国から「院内感染について講演してほしい」というオファーがたくさん寄せられるようになり、てんてこ舞いになっています。でも、これまでずっとやり続けて蓄積してきた私たちのノウハウが活かされて、国民の皆さんに安全な歯科医療が提供されるなら、こんなに嬉しい事はありません。今までは「院内感染防止対策大事だよ」と呼びかけても「分かってるけどねぇ・・・」となかなか話を聞いてもらえなかったのが「話を聞きたい」と向こうから言ってもらえるのですから、これは大きな進歩です。力の限り情報提供を行っていきたいと思っています。

さあ、ずいぶん長くなってきましたので、今日はこの辺にしておきましょう。

明日以降の投稿予告

ここで明日以降の予告をしておきます。

明日:なぜ7割もの歯科医院で歯を削る機器の滅菌が行われないのか?(読売滅菌報道シリーズ2/3)

絶対に必要なのに、どうして長年やらずに放置したのか。10年以上前からやっている私たちだからこそ分かる歯科における滅菌の難しさについてお話しします。

明後日:秘技!院内感染防止対策をちゃんとやってる歯科医院の見つけ方!(読売滅菌報道シリーズ3/3)

多くの患者さんは「当然そのぐらいのことちゃんとやってると信じていたのに・・・・」そして「もう歯医者には怖くて行けない」という気持ちになっていると思います。でも、歯科で行うサービスは、みなさんの人生を健やかで素晴らしいものにする大きなパワーを持っていますので、ぜひ怖がらずに受診していただきたいと思っています。そのために、安心・安全な歯科医院を見つける方法をお教えしようと思っております。

どうぞお楽しみに!

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