河内長野市の歯医者・歯科医院 ふくしげ歯科 千代田駅徒歩10分 歯周内科(歯周病治療)

ふくしげ歯科
〒586-0006 大阪府河内長野市松ケ丘中町1290-1
コノミヤ河内長野店 2階

インプラント治療を受けるのは大病院が良いのか?個人病院が良いのか?

2014.07.30
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最近、ますます医院が混み合って、スタッフ共々半死半生の状態です。しかし、歯に何かあったらふくしげ歯科に行こう、紹介しよう、と思って下さる方が多くいて下さることは本当に嬉しい事です。精一杯頑張って行きたいと思っています。

そんな中、改装工事の計画が進んでいます。ちょっと手を入れるだけのプチ改装ですけど、開業して13年経過し、時代にそぐわないところが目についてきたからです。快適で効率的な医院になるよう、スタッフと一緒に色々アイデアを練っているところです。この時期が一番楽しいものです。

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今回の目玉は、見た目の若返り(建物の♪)&ミーレのジェットウォッシャーという高機能の器具洗浄器の導入です。

こんな感じの業務用の大きな皿洗い機みたいなものです。(そういえばミーレって食洗機メーカーなんですよね)

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でも、これは皿洗い機とは全く違ったもので、歯科医院で多い、血液や唾液などのタンパク汚れを落とすために、水温、水の噴射、洗剤の成分など全てがきちんとチューニングされたものなのです。

 

水温:血液が凝固しないぎりぎりの温度で攻める

水流:単なる皿洗い機とはレベルの違うジェット水流でバシュー!と洗う

洗剤:食洗機用は油汚れターゲットだが、医療用は血液などのタンパク汚れターゲットなので、洗剤はタンパク分解成分入りのもを使う。

さらに、タービンなど中が細い空洞になっている器具も、おしりから水をバシュー!と注入して中まできれいに洗うのでとっても清潔になるのです。お値段で言えば、業務用皿洗い機で有名な☆ザキのものとは桁が1つ、家庭用とは桁が2つ違いますので、やはり「さすがだな」という違いがあるんですね。これまでは洗浄に何段階もの手順を踏んできたのですが、この器械を導入することで、ミーレに並べてフタするだけで、手間いらず。今までより清潔な診療体勢を整えることができ院内感染防止対策のレベルアップにつながるのです。明日打ち合わせです。導入が楽しみ♪

 

さて、今日の本題にいきましょう。

数日前の昼下がり、近隣のA総合病院の口腔外科から電話が掛かってきました。うちからもたくさん患者さんをご紹介して口腔外科領域の処置をお願いしているところです。

用事というのは、1年前まで来られていた患者さんが、うちで発行した紹介状を持って来院されたというものです。普通なら、電話なんか掛けずに、さっさと診察して、報告書を送り返してくれるのですが、今回は患者さんが持ってきた紹介状が別のB歯科診療所に宛てたものだったから、念のためお電話くださったようです。

・ふくしげ歯科→患者さん(B歯科診療所への紹介状)

・患者さん:その紹介状を持ってA総合病院へ行く

・A総合病院から確認電話

 

依頼内容はインプラントです。当院ではごく簡単な外科処置以外には外科を行っていないので、インプラントも当然紹介しています。紹介先はインプラントをメチャクチャたくさん診ていて、歯科医師にインプラントや外科処置を教えているB歯科診療所の院長先生で知識も経験も十分な方です。「あー、これは状況厳しいなぁ」という症例でもきっちり処置してくれて、いままで一度もトラブルがないので、安心している紹介先です。

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日本口腔インプラント学会より

ところが、患者さんは先般のインプラント治療のトラブルに関する報道をご覧になったのかも知れませんが「やっぱり大病院が良いと思って」ということで、地域の中核病院に行かれたわけです。患者さんのその気持ちもよく分かります。

では、インプラント治療を受けるのに大病院と個人病院のどっちが良いのでしょうか?それぞれのメリットデメリットをあげてみたいと思います。

個人病院

メリット

個人の名前を背負って、地域の医療機関として責任を持って治療に取り組んでいる歯科医師が多くいる

小回りがきくので要望に対する細やかな対応ができる

 

デメリット

歯科医師が口腔外科処置に精通しているわけではない。レベルに大きなばらつきがある

全身疾患(高血圧、心臓病など)を持つ患者さんをフォローする仕組みが乏しい

 

大病院

メリット

口腔外科の経験や知識が豊富な歯科医師が処置に当たる可能性が高い

全身管理を行う事ができるので、全身疾患を持つ患者さんやトラブル発生時の対応がスムーズに行える。(全身疾患がある方にこのメリットは大きい)

デメリット

大病院なので「遠い」「待つ」など受診が大変。

どのドクターに当たるか分からない。

 

歯科診療は歯科医学知識と職人技の結晶

上記のように、メリットデメリットは色々あるのですが、これは医療機関ごとに状況が全く違うので、一般論に過ぎません。行った先が、この一般論に当てはまらない、なんてことも多々あります。とはいえ、ザックリというと

 

・手作業系の治療は職人技がモノをいうので「どこに行くのか」より「誰が診るのか」にウェイトが乗る

・職人技を要求されない治療は仕組みとチームで患者さんを診るので「誰が診るのか」より「どこに行くのか」にウェイトが乗る

 

ただし「どこ」の医療機関内部にドクターを育てる仕組みがしっかり整っていれば「誰」のドクターのクオリティーも高くなりますので、「どこ」と「誰」は対立する概念ではなく、しばしば両立します。

「インプラント治療、どこで受けるべきか」に対する答えはズバリ「うまい歯科医師がいるところ」

こういっちゃ、身も蓋もありませんが、本当だから仕方がない。だって歯科治療は豊富な知識と正確な手仕事が要求される職人技の世界です。「どこに行くのか」より「誰が診るのか」にウェイトが乗っているのは当たり前なのです。

「じゃあ、どこにうまい歯科医師がいるんですか?」という問いにはこう答えるしかありません。

「分かりません」(キッパリ)

個人の小さな歯科診療所に素晴らしい先生がいたり、大規模に分院展開している歯科クリニックグループに凄腕の先生がいたり、大病院の口腔外科に上手な先生がいたり、居たり居なかったりがまちまちで、法則性なんかありません。言えるのは研修をしっかり受けて、様々な認定をとっている先生は、結構勉強にお金を掛けていますので、熱心にインプラント治療に取り組んでいることがうかがえます。それが、腕前を保証するわけではないにしても、少なくとも熱心に勉強をしていることは分かります。そのぐらいですね。煮え切らない答えで申し訳ありませんが、こればっかりは一般化できないのです。

実のところ、一番良いのは身の回りでしっかり情報収集することです。多くの人の意見を集約すれば、何となく見えてくるものがあるんじゃないでしょうか?

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というわけで、当院ではいつも実績のある経験豊富なインプラント医に患者さんを紹介していますが、でも、総合病院に行った患者さんの選択がダメかというとそんなことはなく、その方の全身状態などを考えると、外科の知識が豊富な人々が、カンファレンス(症例検討)を行い、チームで全身管理も含めたバックアップ体制で診療してくれているので、それはそれで良い選択なのです。

その病院からの「紹介先と違うんですが、うちで診て良いですか?」との電話に「どうぞ、どうぞ、よろしくお願いします」と即答いたしました。自分の紹介先に行かなかったら良い気分じゃない人がいるかも知れないんですけど、私の場合、治療が上手くいき、患者さんが美味しく食べられるようになれば何だっていいんです。担当になった口腔外科の先生、どうぞよろしくお願いします。

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