そこのお嬢さん歯科衛生士になりませんか?技術革新で色んな仕事がまるごと消滅しそうな昨今、どんな仕事だったら仕事消滅の憂き目に遭わなくて済むのか? (後編)
東京の外資系企業の多い地区に行っておりましたところ、お盆まっただ中であるにもかかわらず沢山の人がご出勤中。
「お盆なのにね」とFacebookに書きましたところ「君もやろ」と突っ込まれました。ごもっとも。
ちなみにお盆期前後には、大きな臨床トピックスを3つもインプットしました。人の体の秘密が一つ一つ解き明かされ、今までのやり方では解決できなかった「あの症例 この症例」の解決の糸口となるかも・・・と思うと休み明けが待ちきれません!今さらながら左右対称性と重心の大切さを思い知る今日この頃でございます。
じゃあ、どんな仕事だったら仕事消滅の憂き目に遭わなくて済むのか?という話の続き
さて、前編に続き、じゃあどんな仕事だったら仕事消滅の憂き目に遭わなくて済むのか?という話を続けましょう。
数年前に話題になった僕は君たちに武器を配りたい (著:瀧本 哲史)という本がありまして
これはいわゆるエリートホワイトカラーに向けて書かれた本なのですが、そこには
・コールセンター、労務管理などの定型的な仕事は海外に行ってしまう。
・給与レベルの低い国の優秀な労働者と限られたポストを奪い合う。
・パナソニックの2010年度採用の80%が外国人だったしね。
と書かれています。前編でもお話したように、先進国である日本の労働者は給料の安くて優秀な外国人と水面下で仕事の取り合いをしているという事が書かれています。これが書かれた当時は円高がひどくてホワイトカラーの仕事がどんどん海外に流出していた頃でした。
そして、現在は外国人(人間)のみならずロボットや人工知能との仕事の取り合いも本格化しています。さらに、労働人口が極限まで不足すると移民を受け入れて代わりに働いてもらうようになったりすることもあるんです。実際にそれをやってる先進国は世界中にたくさんあります。
今の日本は、一時的に景気が良さげで人手不足ですし、労働人口は減っていますので、働き口はたくさんあります。でも、いつまでもそれが続くとは限らないわけです。今時、そこそこ真面目に頑張っていたら人並みに食べていけるという保証はないんです。この辺りが、今の若い人にとって判断が難しいところなんですよね。
プラス要因:現在景気が浮上している、労働人口が減少している
マイナス要因:景気はそのうち必ず悪くなる、機械化が進行する、外国人労働者は広く受け入れられるようになるかもしれない
景気や技術革新に左右されず、いつでもご飯を食べるのに困らないのはどんな仕事かというと、機械にできない、国外の労働者に取って代わられない、仕事ということになります。
先ほど出た僕は君たちに武器を配りたい (著:瀧本 哲史)では
・売れるものを見つける&作り出すことができる。
・販売する技術が抜群である。
・リーダーシップがあり多くの人をとりまとめチームとして動かす能力がすぐれている。
・優れた投資家である
こういう能力がある人は、大丈夫だと書かれておりまして、私もそれはその通りだと思うのですが、そんな人がどれほどいるのかということが問題なわけです。
そのほか
・芸術の才能が飛び抜けている
・野球がメッチャ上手い
・全米が号泣するレベルのストーリーを次々に紡ぎ出せる
などといった特殊能力がある人もそれを活かせば良いでしょう。ただし、これは本当にごく一握りの人しか恵まれることおない才能なので、普通の人には無縁の世界です。(子供の頃はこういうものにあこがれますよね)
で、結局年齢が上がる過程で色々な事にトライして、あれも向かない、これも才能がない、ということを一つ一つ確認していくんですね。とか言うと夢がないように聞こえますが、子供時代のトライしている時間こそが子供である事の醍醐味なんです。そういった長年にわたる確認作業を経て、私を含む大多数の人は「そこそこ真面目に頑張ることはできるけど、特殊能力はない」というごく平凡な自分に気付くのです。それって別に恥ずかしいことじゃなく、ほとんどの人がそうなんです。
で、特殊能力を持たない大多数の人にとって、大事なのは「人の」手や目や脳みそを使わなければ絶対にできず、なおかつ自分に向いている仕事を探すことです。
中でも、医療分野は高齢者の増加で需要が大きく伸びる分野であり、資格自体も2~6年掛けないと取得できません。私自身、頭脳・体力・根性・容姿・コミュニケーション能力などどれをとっても十人並みだったので、資格を持ってて本当に良かったなと感じています。
で、もしあなたが女の子で、人とお話しするのが好きで、まわりの人と仲良くできてて、手が絶望的に不器用じゃなく、人からありがとうと言われると嬉しい気持ちになる人ならば、おすすめの仕事があるんです。それは歯科衛生士です。歯医者の看護婦さん、とよく言われる仕事で、厳密には違いますが、まあ実際にそんなイメージです。ちなみに国家資格です。
歯科衛生士という仕事の良いところ
・国家資格
・有効求人倍率10倍以上!
・夜勤がない!(夜、家に帰って寝られます)
・家の近くに職場が見つかる
・人の命が掛かることはまずない
・患者さんの健康を守ったり増進したりするのにものすごく貢献できる(歯科医師より大事な仕事)
・患者さんにありがとうと言ってもらえる(すごくやりがいがあります)
・男子受けが良い(←これマジらしい)
・多分この仕事は無くならない(少なくともあなたが生きている間は)
ちなみに、履歴書に通信教育とかで簡単に取得できる検定や資格を100個書き連ねても、数年掛けて取る国家資格1個には全く太刀打ちできないのです。資格欄にたった一行「歯科衛生士免許」と書いてあるその破壊力ときたら!他には何も要りません。
だって免許だから
免許の許は「ゆるす」なんです。何を許すのかというと無免許者には許されない何らかの行為を「ゆるす」のです。
特に国家資格は国が「ゆるす」のです。
患者さんの口の中に何らかの治療行為を行うことは、歯科医師と歯科衛生士(実際にはほとんど触らないけど医師や看護婦も)がほぼ独占して「ゆるされ」ています。つまり、口の中に困りごとがある人は歯科医師か歯科衛生士にみてもらうしか方法はないのです。そして、人間の人生に歯のトラブルは付きもので、しかもそれは高齢になるほど増えるのです。高齢社会の日本において歯科の仕事は無くならないばかりか増える一方だと言えるでしょう。
さらに、時代は治療中心から予防中心へとシフトしていますので、歯科医師は過剰になっても歯科衛生士は絶対に不足するわけです。
さらに、さらに、朗報があります。病院にも歯科衛生士を配置するという方針が発表され。歯科衛生士にとって活躍できる舞台が歯科診療所だけではなく、大病院などにも広がるということを意味しています。
さらに、さらに、さらに、高齢者が激増するため全部病院で看取るのは数的に無理だと分かっています。そのため今後は在宅医療がもっと大きく広がっていきます。歯科衛生士の出動要請はますます増えるでしょう。
これ書いている最中に来院された患者さんが、この春、歯科衛生士の養成学校に入学した、と報告してくれたそうです。うちの歯科衛生士が活躍しているのを見て入学したのであれば、こんなに嬉しい事はありません。だって、私の目から見ても、うちの衛生士は輝いてますもんね。おっと、身内を褒めてしまいました。その女の子はとっても素敵な子なので「3年後に卒業したら、ぜひふくしげ歯科に就職して欲しいな」とみんなで話しております。
どうですか?景気の良い今だからこそ、お父さん、お母さんにお願いして一生使える資格を取っておいては。
次回から、この付近(河内長野市・富田林市あたり)に住んでる人が歯科衛生士の資格を取るためにどこに行ったら良いのか、という情報を詳しく紹介します。