河内長野市の歯医者・歯科医院 ふくしげ歯科 千代田駅徒歩5分 歯周内科(歯周病治療)

ふくしげ歯科
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咳をすると出てくる臭い玉 腎臓病・関節炎・皮膚炎と関連が!

ちょっと前に東京の御茶ノ水で顎顔面口腔育成研究会(JACG)の総会に参加し、30分ほど講演もさせていただきました。顎顔面口腔育成研究会というのはランパ矯正に取り組む人々の集まりです。

御茶ノ水ソラシティーという非常にきれいな会場で開催。

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400名収容の非常に大きな会場でした。

 

懇親会

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JACG(顎顔面口腔育成研究会)って本当に臨床レベルの高い先生が多くてドキドキします。心臓が毛深すぎて脱毛サロンの通わんばかりの私もさすがにプレッシャーを感じてしまいました。私の発表はそれなりに無事(?)終了しました。

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冷や汗かきながら講演中

 

耳鼻科と歯科はお隣さんです

講演の中で皆さんにお知らせしたいのは札幌医大耳鼻咽喉科の氷見先生のお話です。「扁桃・アデノイドはなぜあるのか?鼻はなにをしているのか?」という実に根源的な問いが演題となっていました。耳・鼻からのどにかけては耳鼻科の領域で、口からのどにかけては歯科の領域で隣り合っている上に重複していますので、耳鼻科の先生のお話は歯科医師にとって非常に興味深いのです。

 

さて、その鼻からのどにかけての領域は空気の通り道、いわゆる気道ってやつです。気道を通って体の中に入ってくるのは空気だけじゃありません。様々なほこりや菌やウィルスも一緒に入ってきます。ほこりは鼻毛や鼻腔そのものでガードします。菌やウィルスなども鼻の入り口で漉し取ったり、粘膜に付着させたりしてかなりの部分をガードします。それをかいくぐって中に到達したものの一部は鼻やのどの奥にあるアデノイドや口蓋扁桃という部分にくっついて特別な処理がなされ、全身の免疫機能に対して「こんな奴が来た!」と警報が発令されます。その結果、免疫が活性化され菌やウィルスがやっつけられるのです。人間の体って良くできていますね。

 

さて、その扁桃ですが、先ほど述べたように微生物がくっつくと抗原提示といって、体に「こんな特長を持ったくせ者が侵入しました!」と報告する役割を持っています。しかし、扁桃も体の一部なので、炎症を起こすタイプの微生物がくっつきまくると扁桃自体が炎症を起こしてしまいます。特に扁桃の表面が乾燥すると炎症を起こしやすいようです。扁桃炎が急激に起こると、のどが腫れて痛くなり、熱が出たりします。これを急性扁桃炎と言います。

また、急激な炎症がおさまっても、扁桃にジクジク継続する炎症が残る事があります。このような炎症を慢性炎症と呼びます。耳鼻科領域と歯科領域は慢性炎症の宝庫で

 

・慢性扁桃炎

・歯周病

・根尖病巣(根っこの先に膿が溜まる状態)

 

など、粘膜に無症状の慢性炎症が継続して起こる事が多いのです。歯周病や根尖病巣は歯科で調べれば見つかります。それを治療するのは歯科医師の主な仕事ですので、初診で来院した人は必ずといって良いほどレントゲンなどでそれを調べます。 しかし、慢性扁桃炎は兆候がない上に、一般には注目されておらず、積極的に調べるチャンスもありません。ですから慢性の扁桃炎を持っているのに気付かない人が多いのです。

ちなみに扁桃ってのはこの辺りにあります。(龍角散Webサイトより)

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ノドの奥から出てくる臭い玉

 

扁桃炎を持っている人は以下のような兆候が見られます。

 

・「あなたの風邪はのどから?鼻から?」→のどからの人は要注意。しょっちゅうのどが腫れ上がる人は常々炎症があるかも。

・咳をしたときにのどから、小さく柔らかくつぶすと強烈に臭い白い粒が出てくることがある。

 

これって、噂の臭い玉ですやん!過去のためしてガッテン『風邪はノドから・・・』その体質に潜む病SPでもこの臭い玉が特集されていました。臭い玉の正式名称は膿栓といって、扁桃の表面のくぼみに雑菌やら膿やらが入り交じったものが溜まって球状になったものです。

写真で言えばこれ(Wikipediaより)たくさんついてますね~。こんなに腫れていたら呼吸もしにくいでしょう。

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あ、ホントにどうでも良い事ですが、この臭い玉という俗称をためしてガッテンでは「においだま」と読んでいましたが、ネット上では昔から「くさいだま」と読まれていました。「くさいだま」の方が感じが出てると思うなぁ。

 

で、この慢性の扁桃炎ですが「症状がなくてたまに臭い玉が出てくるぐらいなら別に良いじゃん」と思いがちですが、実は怖い病気を引き起こすことがあります。

 

・腎臓病(IgA腎症 最後には腎不全になり透析が必要になることも)

・手のひら・足の裏に膿がたまってジュクジュクになる皮膚病(掌蹠膿疱症

・関節リウマチ

・胸肋鎖骨過形成症

 

これらの病気の共通点は「自己免疫疾患」である、ということです。慢性の炎症が継続すると体の免疫機能が狂ってしまい、間違って自分の体の細胞を攻撃してしまうんです。アレルギーも自己免疫疾患の一種ですので、慢性の炎症で悪化することが知られています。

 

扁桃炎に対しては、抗菌剤による殺菌・ステロイドによる消炎、病巣の除去(手術)、消毒、などを組み合わせて対応します。

扁桃炎や臭い玉を予防するには口呼吸をやめることがとても重要です。口が開いていると、扁桃表面の粘膜が乾いてバリアが破られやすくなりますし、乾燥して菌やウィルスを含んだ空気が鼻を介さずに直接のどの奥に届きますので、非常に炎症が起こりやすくなるのです。たかだか口呼吸ですが、全身の健康に関連しているのですね。

 

息をするなら鼻で!

 

ということでよろしくお願いします。

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